第65回 減塩で満足ごはん〜減塩習慣を身につける〜

 今回は減塩食のお弁当を紹介しました。減塩と聞くと“味が薄い”、“美味しくない”などというイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、料理の組み合わせや調理法を工夫するだけで塩分を控えることができます。塩分は一日8g程度が目標量とされています(高血圧の予防と治療のためには日本高血圧学会で6g未満と勧められています)が、現状の平均摂取量は一日10〜12gと過剰傾向にあります。塩分の摂りすぎは高血圧を引き起こし、動脈硬化や脳卒中など様々な病気の原因になるので、減塩を習慣にしてこれらの病気を予防しましょう。

  • ・味付けはお好みで サケ雑炊
  • ・ごぼうごはん
  • ・白身魚のかぶら蒸し
  • ・自家製浅漬けの菜種和え
  • ・ささみの煮こごり風
  • ・ゆりねきんとん柚子風味
  • ・ひとくち花餅
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【ミニ雑学】

◆減塩のポイント
・①食材の塩分量を知る
味覚ではしょっぱいと感じない食品でも、実際には塩分がたくさん含まれているものがたくさんあります。例えば、食パン(6枚切り1枚)には0.8gの食塩が含まれています。また、魚肉練り製品や肉加工食品にも多くの塩分が含まれています。「しょっぱくない=塩分が少ない」という判断をしてしまうと、実際には塩分が多い食品を見落としてしまう原因になるので、食品の正しい塩分量を知っておくことが大切です。

②味付けをバラエティにする
塩やしょうゆ、味噌など日本の伝統的な調味料には塩分が多く含まれています。味付けをこれらの調味料だけに頼りきってしまうと塩分の過剰摂取になります。だしや素材のうま味を活かしたり、香辛料や酸味を利用して味付けにアクセントをつけるなど、少しの工夫で食事を楽しみましょう。

③献立にメリハリをつける

減塩を意識すると、どうしてもすべての料理を薄味にしなくてはと思いがちですが、それでは食事を苦痛に感じてしまったり飽きてしまって続けられないという原因になってしまいます。メニューを考えるときは、主菜にはしっかりした味付けをして副菜は少し塩分を控えるようにするなど一食の中でも味付けにメリハリをつけ、単調な味付けにならないように工夫しましょう。

④汁物は控える
味噌汁一杯には1〜2g程度の塩分が含まれています。これを毎食とってしまうと一日あたりの食塩摂取目標量の半分を超えてしまいます。汁物はなるべく一日一杯までにし、作る際は具材を増やして汁を少なくするという方法も効果的です。また、ラーメンやうどんなどの麺類を食べるときは汁まで完食せず、汁は残すことを習慣にしましょう。

⑤食卓での工夫
塩は食品の表面にさっと振りかけるようにしたり、しょうゆやソースは「かける」よりも「つける」ようにすると少量でも塩分を感じることができます。

【塩分の摂取量】

 塩分とは、食品中のナトリウムの食塩相当量のことをいいます。(食塩相当量(g)=ナトリウム(mg)×2.54÷1000で計算されます。)ナトリウムはほとんどの食品に含まれている栄養素で、日本人が摂取するナトリウムの約7割が食塩由来だと言われています。摂取したナトリウムはそのほぼ全量が吸収され、尿、汗、糞便などで排泄され、摂りすぎると高血圧など様々な疾患の要因になってしまいます。
日本では、しょうゆやみそなど常備している調味料に塩分がたくさん含まれているため、使い過ぎると塩分の過剰摂取につながります。まず一日の汁物の回数や漬け物を食べる習慣など自分の食生活を振り返り、どのくらいの塩分を摂取しているのかを認識しましょう。塩ひとつまみ分の塩分を減らすだけでも一日の塩分量は大きく変わってきます。まずは自分にできる“ひとつまみの塩を減らす方法”を見つけてみましょう。

レシピ

ここに掲載したレシピは、ご家庭でも手軽にお試しいただけるように、分量を目安で表示しています。実際の食事指導では、患者様ごとに厳密に栄養計算した料理をお出ししています。

一食分の栄養量合計

  • エネルギー 591kcal
  • 蛋白質 30.5g
  • 脂質 4.5g
  • 炭水化物 100.1g

★味付けはお好みで サケ雑炊

エネルギー92kcal、蛋白質3.5g、脂質0.6g、炭水化物17.4g

■ 材料(分量・・・1人分)
精白米1/6カップ弱、さけ中1/9切れ、刻みのり少々、葉ねぎ少々、しお(小袋0.5g入)1袋
■ 作り方
  • ① 米は洗って鍋に入れ、米の5倍量の水を入れて30分程度浸漬する。
  • ② 強火で沸騰させ、沸騰したら少しかき混ぜて弱火にする。
  • ③ 米を潰さないように途中で2〜3回かき混ぜながら20分くらい炊く。水が少なくなってきたらお湯を少し入れてもよい。
  • ④ 炊き上がったら5分程度蒸らし、盛り付ける。
  • ⑤ さけは焼いて身をほぐす。葉ねぎは小口切りにし、刻みのりと一緒に添える。好みでしおをかける。

★ごぼうごはん

エネルギー234kcal、蛋白質4.0g、脂質0.4g、炭水化物52.2g

■ 材料 (分量・・・1人分)
精白米1/3カップ強、ごぼう1/7本弱、昆布適量、うすくちしょうゆ小さじ2/3杯
■ 作り方
  • ① 米は洗って通常の水加減にしておく。
  • ② ごぼうは皮をむいて5mm角程度に刻む。
  • ③ 米に板昆布、ごぼう、うすくちしょうゆを加えて炊く。
  • ④ 炊き上がったら板昆布を取り出し、よく混ぜて盛り付ける。  

★白身魚のかぶら蒸し

エネルギー74kcal、蛋白質12.7g、脂質0.2g、炭水化物5.4g

■ 材料(分量・・・1人分)
たら大3/5切、酒適量、昆布適量、かぶ1/2個、卵白1/3個、しめじ1/10パック、にんじん1cm弱、みつば1本弱、ぎんなん2個、だし30cc、うすくちしょうゆ小さじ1/2杯、かたくり粉少々
■ 作り方
  • ① たらは食べやすいように皮と骨を取り除いておく。板昆布を下に敷いてトレーに並べる。
  • ② かぶをすりおろし、余分な水気を捨てて泡立てた卵白と混ぜる。
  • ③ しめじはほぐし、にんじんは短めのせん切りにして泡立てた卵白と絡め、たらにのせて蒸す。
  • ④ みつばは1cmくらいに刻み、さっと茹でておく。
  • ⑤ 濃いだしをとり、うすくちしょうゆを入れて沸騰させる。水で溶いたかたくり粉を加えて銀あんを作る。
  • ⑥ 蒸し上がったたらに銀あんをかけみつばとぎんなんを散らす。

★自家製浅漬けの菜種和え

エネルギー49kcal、蛋白質3.5g、脂質2.8g、炭水化物3.9g

■ 材料(分量・・・1人分)
菜の花1/4束、しお小さじ1/10杯、昆布適量、卵黄1/4個、白ごま小さじ2/3杯
■ 作り方
  • ① 菜の花は昆布だしで軽く茹でる。菜の花をしおと昆布だしで1時間以上漬ける。
  • ② 白ごまは香ばしく煎ってから、すり鉢でする。
  • ③ 卵黄はテフロンのフライパンでそぼろ状に炒める。
  • ④ 菜の花の水気をよく絞ったらすりごまと和え、そぼろ状の卵黄を和える。

★ささみの煮こごり風

エネルギー37kcal、蛋白質5.1g、脂質0.4g、炭水化物2.6g

■ 材料(分量・・・1人分)
ささ身1/4本、しょうが小1/4個、赤だしみそ小さじ2/3杯、酒小さじ1杯弱、寒天(粉)小さじ1杯弱
■ 作り方
  • ① ささ身はすじを取り細かく刻む。しょうがは皮をむきみじん切りにする。
  • ② 鍋にささ身としょうがを入れ、だしを適量加えて酒と赤だしみそを加えて煮る。
  • ③ 鍋に50cc程度の水と寒天(粉)を入れ、沸騰させたらささ身の入った鍋に入れ流し缶に移し、冷やし固める。
  • ④ 固まったら切り分ける。

★ゆりねきんとん柚子風味

エネルギー46kcal、蛋白質1.1g、脂質0.0g、炭水化物10.6g

■ 材料(分量・・・1人分)
ゆりね11片、さとう小さじ2/3杯、ゆず(皮)少々
■ 作り方
  • ① ゆりねは、おがくずをきれいに取り除いて蒸す。
  • ② 蒸し上がったら2/3は潰してさとうを混ぜ、残りは潰さないように混ぜ合わせる。
  • ③ 形を整えて盛り付け、ゆずの皮をすりおろして上にふりかける。
  • ⑨ 冷めたら型から外し、16等分に切り分ける。

★ひとくち花餅

エネルギー37kcal、蛋白質0.6g、脂質0.1g、炭水化物8.0g

■ 材料(分量・・・1人分)
白玉粉大さじ1杯弱、上新粉小さじ2/3杯、低甘味料(0キロカロリー)小さじ3/5杯、食用花少々
■ 作り方
  • ① 白玉粉、上新粉、低甘味料を混ぜ合わせる。
  • ② ダマができない程度に①に熱湯を少しずつ何度も加えながらよく練る。
  • ③ 十分に練ったら、ぬれぶきんをかぶせて30分ねかせる。
  • ④ ③を形よく丸め、平たくしてから食用花を貼り付ける。
  • ⑤ テフロン加工のフライパンで飾りをつけた面を上にして焼き、少し焼き目がついたら裏返し、飾りをつけた面には焦げ目がつかないように焼き上げる。