がん診療地域連携パス(大阪府がん診療連携協議会作成統一型パス)

がん患者さんへの安全で質の高い医療を切れ目なく提供するため、がん診療地域連携パス(大阪府がん診療連携協議会作成統一型パス)を利用して、地域の医療機関との連携を図っています。

がん診療地域連携パスとは?

がん診療地域連携パスとは、国が指定する「がん診療連携拠点病院」、府が指定する「がん診療拠点病院」以下、がん拠点病院(平成29年4月現在65施設)が、地域の医療機関やかかりつけ医(連携施設)と情報交換、役割分担を行いながら患者さまを診る新しい連携体制で、その診療計画表と診療全体を体系化したものをいいます(図1)。

図1:「がん診療地域連携パス」を用いたがん診療

「がん診療地域連携パス」を用いたがん診療

がん拠点病院におけるがん診療地域連携パスの整備、連携診療体制の推進は国のがん対策基本法に基づくがん対策推進基本計画に沿うものです。また、大阪府がん診療連携協議会では、平成21年より5大がん(胃、大腸、肺、乳腺、肝)のがん診療地域連携パス(大阪府統一型)を開始し、主にがん拠点病院治療後の経過観察や補助化学療法の連携診療を行っています。
がん拠点病院では専門的診療や定期的検査(画像診断など)を行う一方、日常の診療(日常薬投与、他病の診療など)や相談は連携施設で診ていただきます。(ただし、原疾患に関連し連携施設で対応できない場合には、がん拠点病院を受診してもらうようにしています。)平成25年以降には、泌尿器科がんや緩和診療のパス、また平成29年度からは婦人科がんパスも新たに加わっています。
次項 表1にパスの一覧を示しますが、各がんの詳細については、【相談支援センター】がん診療地域連携パスを参照してください。

表1:大阪府統一型がん診療地域連携パス一覧

パス がん種 パス名 適応対象 治療内容 連携施設
(専門医限定)
肺がんパス 非小細胞肺
がん
経過観察パス※1 治癒切除後(I期)    
補助化学療法パス 治癒切除後(I期) UFT  
胃がんパス 胃がん 経過観察パス※1 治癒切除後(II、III期)    
補助化学療法パス 治癒切除後(II、III期) TS-1  
経過観察パス ESD治療後(I期)   内視鏡専門医
大腸がんパス 大腸がん 経過観察パス※1 治癒切除後(Imp,II,III期)    
補助化学療法パス 治癒切除後(Imp,II,III期) UFT-ロイコボリン、
ゼローダ
 
乳がんパス 乳がん 経過観察パス 治癒切除後、(RT終了後、点滴抗がん剤投与後)    
補助内分泌・
化学療法パス
治癒切除後、(RT終了後、点滴抗がん剤投与後) ノルバデックス、アリミデックス、ゾラテックス、UFTなど  
乳がんOABN
パス
乳がん 経過観察パス 治癒切除後、(RT終了後、点滴抗がん剤投与後)   乳腺専門医
補助内分泌・
化学療法パス
治癒切除後、(RT終了後、点滴抗がん剤投与後) ノルバデックス、アリミデックス、ゾラテックス、UFTなど 乳腺専門医
肝がんパス 肝細胞がん 経過観察パス 治癒切除後、TAEなど
治療後
   
前立腺検査
パス
前立腺がん
疑い
検査後経過観察
パス
血清PSA高値患者 血清PSA測定  
前立腺治療
パス
前立腺がん 経過観察パス 治癒切除後   泌尿器科
ホルモン療法パス 初期治療 LH-RHアゴニスト、
女性ホルモン、抗男性ホルモン剤など
泌尿器科
膀胱がんパス 膀胱がん 経過観察パス TUR治療後   泌尿器科
緩和パス がん がん疼痛緩和
パス
がん疼痛緩和対象患者 麻薬  
子宮がんパス 子宮頚部
上皮内がん
経過観察パス 円錐切除後   婦人科

※1:平成28年4月より適用開始となった患者さまには内容刷新した改訂版のパス(Ver.2)を用いています。

当センターとのがん診療地域連携パスを用いた、連携施設登録とがん診療地域
連携パス適応患者さまのご紹介のお願い

連携施設登録の方法

がん診療地域連携パスを開始するには、先ず、施設基準の届け出が必要です。
国指定がん診療連携拠点病院である当センターと「がん診療地域連携パス連携施設」になることをご了解いただける場合は、詳細資料をお送りいたしますので、当センター「地域医療連携室」までTEL(06-6945-1181)ご連絡をお願いいたします。

がん診療地域連携パスを用いた連携が可能と思われる患者さまの
ご紹介について

すでに当センターとの
連携施設登録済みの場合
前記の「連携施設登録」済みの施設から、当施設にご紹介いただく場合には、ぜひ、病診連絡時に「連携パスの受け入れ可能」の旨をご連絡いただくか、診療情報提供書に記載ください。
当センターとの連携施設
登録がまだである場合
がん診療地域連携パスの適応可能性のある患者さまを当センターにご紹介いただく際、同時に「登録希望書」もFAXにて地域医療連携室へお送りください。

がん診療地域連携パスへの参加のお願い

がん診療地域連携パスの活用は、がん拠点病院と連携施設とが協力して患者さまの視点に立った安心で質の高い医療を提供する新しい診療体制を構築することを目指しており、患者さまの満足度アップにつながるものと考えています。がんの地域連携推進についてご理解、ご協力およびがんの地域連携パスの連携施設へのご参加をどうぞよろしくお願い申し上げます。

大阪府がん診療連携協議会パス部会長
大阪国際がんセンター 相談支援センター長
東山 聖彦

【がん診療地域連携パス、以下、連携パス】とは、がん患者様を、がん診療の拠点病院医師と地域の「かかりつけ医」の先生とで、診断・治療を機能分担し、連携しながら共同で診療するシステムを築き、相互が共有する「診療計画表」のことをいいます。すなわち患者様は、共有するがん診療の計画表(連携パス)に基づいて、専門的診療は大阪国際がんセンターで、日常診療は地域の「かかりつけ医」に診てもらうため、「二人の主治医」を持つことになります。そうすることで、長い診療待ち時間の解消や通院時間が短縮されるとともに、患者様自身によるがん診療計画や経過の把握も容易となるほか、がん以外の病気も診て頂くことが可能なため、安心で質の高い医療を受けることができます。

ただし、このようながん診療連携システムは全てのがん患者様が対象となるわけではなく、大阪国際がんセンターの専門的治療が一区切りし、その後の病状も落ち着き、投薬中や経過観察中の患者様が主となります。また基本的には専門的な治療やがんの主たる定期的検査は大阪国際がんセンターが行います。

大阪府では、連携パスによる診療内容を府下のどの地域のがん拠点病院と「かかりつけ医」でも利用しやすいように統一したもの(統一型連携パス)を作成しています。